たくさんの遊び相手と、たったひとりの話し相手

今週のお題「ねこ」について。

私は幼い頃、両親と母がたの祖父母と一緒に暮らしていました。

 

自宅には、白毛に黒いブチ模様の猫を飼っていました。名前は五右衛門。

 

もともと、ご近所で飼われていた猫だったらしいのですが、祖母にとても懐き、毎日家に遊びにきているうちに、とうとう居ついてしまったそうです。

 

うちの子になってからも、元の飼い主さんが、よく遊びにきて五右衛門と遊んでいたので、きっと彼からしたら、飼い主が変わったというより、自分を甘やかしてくれるママが増えたという感覚だったかもしれません。

 

祖母は大の猫好きで、優しいママでしたから、五右衛門はどんなに体が大きくなっても、子猫のように甘えていました。

 

(見た目は、かなり重量級で、当時、幼稚園生だった私の友人は怖くてベソをかくくらいの貫禄があったのですが  笑)

 

しかし、たまに二人は激しい喧嘩もしておりました。

 

「この恩知らず!」

「親になんてことするんだ!」

と、まるで本当の息子を叱るような口調で、祖母は五右衛門を怒鳴りつけます。

 

しかし、五右衛門も負けてはいません。

ニャゴニャゴと、必死に何かを訴えながら応戦します。

 

しばらくすると、五右衛門は決まって、祖母から離れ、祖父の部屋に避難をします。

 

祖父が椅子に座ってテレビを見ていると、そっと膝によじ登り、じっと祖父の顔を覗き込むのです。すると、祖父はテレビを消して、五右衛門の頭を2、3回撫でてやります。

 

あとは、何をするでもなく、二人とも、くたびれた顔でボーっとしているのです。

 

今、その光景を思い返してみると、

「どうして、あんなにママって、ヒステリックなの?」

「本当だよな。全くやんなっちゃうよ。」

という会話が聞こえてきそうな気がします。

 

五右衛門には優しい遊び相手はたくさんいましたが、心許せる話し相手は、祖父だけだったのかもしれません。